オットコマエに撮ってくらはい!
そして迎えました。1回目の写真撮影です。8月でしたね。各カテゴリの扉ページにつけるイメージで、かつ当時住んでいたマンションの、たとえばキッチンだとか寝室だとかをすべて写して、何年後かに見た時に「あ、こんな部屋に住んでたな」って分かるようにしたかった。
アメヤンが撮ラフを手書きで用意してくれて、各シーンで3パターン、「全体」、「顔」、「手」って撮ったんよな。撮影に関してはアメヤンが撮りたいものを主導に考えたから、それに沿って撮影したね。
あの時に使ったカメラは何ですか?
あれは【マミヤシックス】。
出た! マミヤシックス! いや、マミヤ○ックス!!
おう! マミヤセッ○ス!!
コラ! 録音されてるぞ!(笑)
マミヤシックスはカメラの特徴としては?
中判カメラやのにコンパクトってとこかな?
中判カメラって何なんですか?
要はね、一般的なカメラは35ミリなんやけど……
何が35ミリなんですか?
お前……フィルムの大きさに決まってるやんけ……
いやいや、僕も分かってますけど!(笑)分からないかもしれない読者のためにね。
親切やな(笑)まあ普通は35ミリなんやけど、マミヤシックスは使うフィルムがちょっと大きいねん。で、大きいフィルムなんやけど、機械のつくり自体はコンパクトに作られてて、見た目はそんなにゴリゴリしてないのにキレイに仕上がる。
中判のメリットっていうのは35ミリよりキレイってことなんや。
フィルム自体が大きいから撮れる写真の、いわば記憶できる容量が大きいねん。だからよりキレイに撮れる。アメヤンをより美しく!
いや〜、美しく撮られましたねぇ。デジじゃなくてフィルムで撮った理由は何なんですか?
気持ちの部分が大きいかな? グッ! と、ね。あと自分的なヨコシマな部分を出すと、もしいい感じで撮れたら自分の展示会とかでも使いたいなって思ってて。せっかく撮るなら自分の作品として残したいって思ってて。それでモノクロのフィルムで撮ってん。
なるほどね。難しかったですか?
ん〜、緊張感はあったな。
それはありましたよね。楽しかったですけど。
そう。フィルムやからちゃんと撮れてるのか撮れてないのかもぶっちゃけ分からへんから、そういう意味でも緊張感はあったな。
鬼気迫る一対一の勝負! みたいなね。
うん。
ん? そんな感じやったっけ?
(爆笑)
二人の中にはあったんやろけど(笑)
それは岡田さんが遅れてくるからですよ!
そうです! 岡田さんが来るまではすごいピリピリした感じで、いいグルーヴ出てたんですよ!
岡田さんはゆるキャラですから。ヒコニャン(笑)
そうか。ん〜(笑)
ただね〜。悔やまれるのは実際に刷った時にはあまりキレイに色が出なかった。印刷代をケチッたが故に。
そうやなぁ。ぶっちゃけ、中判で撮った効果はまったく出てない(笑)
(笑)
印刷でかなり持っていかれたなぁ(笑)網点がかなり出てる……。
グレーの部分とか、ものすごい網点やもんなぁ。
そうですねー。現像はどうしたんですか?
現像屋に出したよ。そこ失敗したらすべて終わりやったからね。
この時に撮ったのは半分くらいなんですよね。実際の本で言うと、僕の髪の毛が短い時なんですよ。岡田さんは撮影の様子をビデオで撮ってくれてましたね。どうでした?
うん。すごくいい緊張感の中で撮れてたと思うよ。
ぜったいウソじゃないですか! まったく思ってないでしょ!
いやいや(笑)でもワンカットを撮るのに照明とかもちゃんと準備して、みたいな、そういうのが大変な作業やなぁって傍目で思ってたけどな。
うん。でも確かにね。今は日常生活でもデジカメに慣れてるでしょ? だから撮ったものがどうなのかが分からないっていう感覚が新鮮というか。普段でもないじゃないですか。撮ってすぐに「見せて〜」っていう時代ですから。
あ〜。うん。
だから焦らされた感というか、「結局どやねん」っていう、そういう楽しさもありましたよね。
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撮影風景
写真撮影:平山健宣
ビデオ撮影:オカダケンタ
BGM:Double Flat (Max404 Mix) / Rei Harakami
Djed - Bruise Blood Mix (remixed by U.N.K.L.E.) / Tortoise
なんかさ、途切れるやん? デジで撮ってたら、1回撮ったら「見せて見せて」ってなって。その後にもう1回おなじレベルの緊張感に持っていくのって難しいんよな。
そうですよね。
うん。そういう意味でもフィルムは良かったんちゃうかな。