【第2回】ギャルソンとケージに、ダブルおフ○ラ
AVの企画モノには、バタイユ的な要素が無意識のうちに入っているんやね。
そうですよね。それはAVだけじゃなくて、ファションにおいてもそうです。コム・デ・ギャルソンが最初のパリコレで与えたインパクトが、黒づくめでボロボロの、どう着たらいいのか、またどう脱がせたらいいのかが分からないものでした。「乞食ルック」などと呼ばれた感じです。「そもそも服というのは脱がすためのものだ」みたいなことを、我が物顔でぶちかましてくるおっさんや哲学者がいますけど。
何やねん、それ(笑)
あとは村上春樹あたりがしらっこい顔して書いたり(笑)。ボディのシェイプを想像できないほど膨らんだシルエットや、単純に脱がせにくいっていうギャルソンの服作りは、想像力をかき立てるんですよね。つまり、それを「侵犯」したいという気にさせるようなものなんです。
なるほど。ギャルソンもバタイユなんや。コム・デ・バタイユ(笑)
(笑)「まるで戦争のようだ」っていう。
かっこえぇな(笑)
音楽でもつながってくる部分があると思います。例えば、ガムランの音色が醸し出すエロとか。
あー、分かるねー。
あれって、ジョン・ケージがプリペアド・ピアノで出す音に似ているんですね。
時代として、“平均律”という考え方が登場して、音階が体系だった頃やな。
そうです。それによって西洋音楽はノイズとの闘いの時代を迎えるんですね。ノイズをなるべく排除して、できるだけ美しい旋律を奏でたもん勝ちになる。で、「モダン」とか「ポストモダン」と呼ばれるものは基本的に前までのアンチなので、新ウィーン楽派から現代音楽と呼ばれるモノが生まれたりするわけです。
同時に、ブルースやジャズも当然のように生まれてくる、と。
はい。そういう流れの一つとしてケージは、調律が完璧なピアノにわざと異物を挟む実験をするわけです。その時に鳴ったのが、ガムランにも似た、エロさムンムンの音色。
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4'33 / John Cage
ほう。完璧だったものにノイズを挟ませることで生まれるエロスか。
そうです。要は「禁止と侵犯」。ガチガチに縛られた調律を犯すことで、エロい声で鳴きやがるぜっていう(笑)。その辺りは、僕が研究しているピエール・クロソウスキーという人にも繋がってきます。
どういうこと?
『歓待の掟』っていう本があるんですが、そこでは家の客間に、“歓待の掟”っていう「旦那が客人に妻を差し出します」的な御触れみたいなものが飾ってあるんですね。「掟」つまりは「制約」ですよね。で、その主人は客人にやられてる妻を見ている。
AVで言うカップルものや(笑)
はい。完璧にカップルものです(笑)。妻はロベルトって言うんですけど、旦那としては「普段は貞淑な妻の部分しか俺には見せてくれない。そうじゃなくて、他人に見せるビッチなロベルトを見せるんだ。そこまで俺の中で一緒になって、ようやくロベルトがわかるんだよ!」的な内容なんです。つまり、他人の視点を自分の中で同一化させていくっていう、覗きの真理ですよね。ある意味。
カップルものでもあり、覗きものでもある(笑)
まぁ何気ない日常に制約としてかました掟が、AVのスタートになるっていう。友達の彼女とやっちゃった的な感じですよね。
あれに関してはさ、嘘くささが度を超えてるというか。だいたい本当の彼氏は横のソファーで寝てるやろ!?
うわ(笑)
んなわけあるかい! っていう(笑)
(笑)
俺な、盗撮モノがけっこう好きなんやけど、盗撮やからずっと固定アングルやったのに、急にめっちゃいいアングルになったりすることあるやん? 「なんで手持ちカメラになってんねん!」っていう。「盗撮ちゃうんかい!」みたいなさ。
あ、それある!
あれは絶対にやったらあかんねん! で、固定アングルっていうのは、いまの話でいったら制約であって、掟。「もっとこっちのアングルから観たいのに!」っていう欲求が満たされたないが故に感じる良さはすごいあるんよね。
そうですね。
あの「実は盗撮じゃない」と分かった瞬間の萎え。
萎えますね。萎えがハンパじゃない。この前、大沢佑香と希崎ジェシカかな? その2人がレズっぽい感じで家でいちゃつくの、あったんです。「おお、ええやないか」と思って。女優ものでありながら、盗撮風味の固定アングルで、かつ家というプライベート風味。それに加えてレズと(笑)
アハハハ! 紹介のアイコンむっちゃ多いな(笑)
(笑)むっちゃ禁止事項が多いんですよ。
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晶エリー初監督作!『ファン感謝祭』PR!!(大沢佑香)
そうやな。
これはなかなかにエロいじゃないかと思って。見すすめていくと、互いのホラ貝をいじり合うシーンになったんですが、その瞬間に、急に手持ちカメラみたいアングルで、上からホラ貝をいじる指を映し始めたんです! あれは萎えた(怒)
やっちゃったかー。いや分かるけどね。いじり合ってるのを定点の遠くから撮っても、絵的に辛いのは。でもそこはぐっとこらえて、ねぇ?
その時間も含めてこっちは楽しむ所存じゃないですか。で、カメラを持っちゃったもんだから、「あとあと来るぞ」と思ってたら、案の定、男が。
あー、となるとアレや。おフェラやな。ダブルおフェラ。
お下品!
お下品!
でも僕、あれは好きなんですよ。男一人の女二人で3Pにおいて、一人は騎乗位で、もう一人は顔面騎乗の……。
あー、あのトライアングルやろ!? フラット3!(笑)
そうです! 最強のフォーメーション。
女の子同士はちょっとキスしたりするんよな。
あれはもう世の中で今までに出てきた三角形の中で一番美しいと言われています(笑)
トルシエを超える!
クフのピラミッドを超える!